映画誕生100年のお祝いに1995年に作られたオムニバス映画。
世界の巨匠達40人が世界初の映画撮影用カメラ“シネマトグラフ”を使い、制限時間は52秒以内、同時録音は不可、テイクは3回までという規制の中、映画は撮られ、同時に「何故映画を撮るのか」「映画は死ぬか?」と監督達に問う。
“シネマトグラフ”で撮られた映画は便利さをのぞけば100年前と何も変わらない人々の営みを映し出し、40人それぞれのこだわりが「絵」の面白さとして映し出される。
目玉焼きを作るフライパンに女からの電話を被せるアッパス・キアロスタミ。
廃墟のベルリンにブルーノ・ガンツををたたずませるヴィム・ヴェンダース。
今のヒロシマ原爆ドーム前で遊ぶ子供達に原爆投下を報じるアメリカのラジオを流すヒュー・ハドソン。
映画には不可能がある。原爆投下を映画で記録として撮せるかと問う吉田喜重。
赤子に声を発する事を求めるスパイク・リー。
妊婦の破水を飲む男を描くアーサー・ペン。
時の迷子となったユリシーズを映すテオ・アンゲロプロス。
「人が死ぬ時、映画は死ぬ」
様々な現代模様は戦争と平和という「100年の孤独」を語り、寂しき地球人を映し出す。
リュミエール兄弟が動く人々を捉えた感動の機器は未だに人々を映し出せる。
映画を死なせないために、映画を撮り続ける人々の記録は生きた証でもあるのだろう。
それを受け継ぐ今の便利さであって欲しい。
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