福祉のドキュメントを撮っていた是枝裕和監督の最新作「空気人形」はどうも感情移入が出来なかった。
欲望を満たすだけのダッチワイフが心を持ってしまい、街をさまよう物語は現代の空虚さであるのだろうけれど、是枝さんの優しさが仇になったのか、現代人の無関心、ご都合主義といった残酷さが見えてこないような気がした。
ペ・ドゥナの生身の身体と「空気人形」の入れ替わりのCGはどこからどこまでなのか判らなく確かに凄いんだけど。
「誰も知らない」のような現代人の加害性を見せつける残酷さがもっと欲しかった。
帰りにいつも寄る定食屋さんで、トイレにはいるとそこに掲げられた色紙が、欲求不満の僕を癒してくれた。
どんなに偉い人でもあなたにはなれない
まんままんま
あなたのまんま
ありのままのあなたが一番
人は誰でも小便小僧や考える人になるんだもんね。
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