2010-08-27

障がいは人になく、差別が人にある The person doesn't have disability but the person has contempt.

北海道行政書士会の「北海道障がい者支援フェア」に行ってきて、そこでの講演を聴き、「障がいは人になく、差別が人にある」なのだろうなぁと思った。

北海道が制定した「北海道障がい者及び障がい児の権利擁護並びに障がい者及び障がい児が暮らしやすい地域づくりの推進に関する条例」という長い名前の条例の趣旨を話された講演では、地域づくり、就労支援、権利擁護にまとめられた条例の骨格が示されたけど、このような公共の集まりの講演会で難聴者向けの手話や筆記字幕がないのが、差別にあたるとした、講演者の説明が、差別とは何なのか、最も判りやすい例と思った。

知り合いの行政書士さんがその後、講演をされ、「社会モデル」と「医療モデル」という昨今よく語られ、制度改革の主軸にもなっている理論を紹介されていたけど、要は「障がいは人になく、差別が人にある」なのだろう。

段差があるから車いすで動けない、その段差が障がいである。背が低い事をコンプレックスに持っていた人が、演劇を志す人たちと知り合い、コンプレックスは様々な個性でもあることを知った。

つまりは「社会モデル」として克服出来ることと、「医療モデル」として克服出来ることなのだろう。

大型スクリーンに映し出されたカラフルなプレゼンテーションと同じものがモノクロ印刷で配れていたけれども、カラフルなものをモノクロに印刷すると文字が潰れ、読みにくくなる箇所が何カ所かある。それが色弱に配慮したカラーユニバーサルデザインという話を聴いたことがあるけど、そういう配慮はカラフルなものがあふれる現代、モノクロ主流の数十年前より配慮が劣っているのかも知れない。

「北海道障がい者支援フェア」と同じく教育文化会館で上映会が行われていた「ジョニーは戦場へ行った」は第一次世界大戦で意識ある肉塊”と化したひとりの青年の回想劇。モノクロの現実とカラフルな回想で、戦争で死ねなかった青年の苦悩を描いた映画。久々に見たかったけれども、自分の体調を考え、見なかったけれども、「障がいは人になく、差別が人にある」と云うことを中学生だった僕に教えてくれた映画。

「障がいのある人もない人も」などという優生思想が蔓延する現代、「障がいのない人」とはどんな脳天気な御仁なのか、「犬も歩けば棒に当たる」障がい価値観を忘れたくはないなぁと思った一日でした。

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