2010-08-09

アルバム Album

職場で、心霊写真の話が盛り上がり、僕がこの職場に入った頃、30年前に写した職場の写真にそれらしきものが写っているという話をしたことから、その写真を見せてくれと、アルバイトの学生たちにせがまれ、久々に昔のアルバムを引っ張り出した。

久しぶりに見る写真の数々に懐かしい想い出を思い出しながら、見ていくと、亡くなった友だちの顔がいくつも現れる。

心霊写真じゃないけど、年月経ると想い出も亡くなった人ばかりになるんだなとほくそ笑み、話題の写真の張り付いたページを見つけ出す。

「みんなが笑っているけど、本当はどう何だか判らない。けれども、本当のことは判らないけど、これが私の生きた証。」

テレビドラマの「岸辺のアルバム」でこのようなことが語られた事が記憶にあるけど、私にしか判らない歴史がアルバムにはあるように思う。

みんな笑っているけど、こいつはいついつ亡くなり、こいつとは付き合いなくなった。

そんな想い出でも棄てることなく、貼り残してあるアルバムはやはり自分の生きた証なのだからなのだろう。

あの日に帰りたいとは思わないけど、明日はもう少しマシになりたいと思ったりする。

写真を撮らなくなって十数年、アルバムの中のブランクを知るのも自分だけだからいいじゃないか。

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