2011-05-27

ショージとタカオ Shoji and Takao

久々の日記。というか、日々の思いは「つぶやき」の方がリアルに残せるから、「つぶやき」では書ききれない事を日記として残そうかなと。

今日、久々に映画を観てきた。

上映時間が動ける時間に合わなかったり、疲れていたりで、ゴールデンウィークも全然観なかったけど、これじゃいかんと一念発起、観に行くには朝早い時間スタートで、お休み日の雑事を片づけると行けるかなと不安だったけど、間に合いそうなので、出かけて行った。

映画館に着いたのはもう始まって数分経った時、けれどもこれを逃すとこんな朝早い時間に間に合うゆとりなんて作れない。だから、最初の数分はあきらめて観る事に。

観に行ったのは、先日強盗殺人事件「布川事件」再審無罪を勝ち得、仮釈放までの29年間にわたる獄中生活を余儀なくされた桜井昌司さんと杉山卓男さんのドキュメンタリー映画「ショージとタカオ」。

見損ねた最初の数分は支援者の集いの場面のようで、タイトルが出て、仮釈放した桜井昌司さんと杉山卓男さんが登場の場面から運良く見始める事が出来た。

若気の至りでぐれていた二人が冤罪に巻き込まれ、30年ぶりに見る娑婆の世界に戸惑う姿は浦島太郎のよう。

逮捕時の話、刑務所の生活、仮釈放後の生活費の捻出と、奪われた歳月を取り戻す二人は普通に暮らす我々が真似出来ないくらいに、健気にひたむき。

すぐ涙ぐむショージさんとせっかちなショージさん。お二方は若い頃は仲良くなかったと語るように、あぁ合わないだろうなと思ってしまう。

仮釈放後の二人の生き方はそれぞれ違いはするけれども、50歳過ぎて彼女を作り、結婚、子供も授かるところは獄中の寂しさ故なのかなと思ってしまう。

その心境をけして二人は語らないけど、ショージさんの奥さんが、真夜中目を覚まし、恐怖に脅え、窓から飛び降りるかも知れないと語るショージさんの事を語る時、冤罪で問い詰められた後遺症がPTSDという形で残っている怖さを知る。

自分の内面を語らない二人は、事件の取り調べの事になると口数が多くなり、事細かに語り、悔しさを思い返し、泪を噛みしめる。

「警察は犯人を作るところ。検察は警察の言葉だけを信じて、容疑者は愚民扱い」

ショージさんの怒りは日を増す毎に強まり、再審請求の時には冤罪を訴えるため、全国、世界を駆けめぐる活動家になっている。

再審が決まったところで映画は終わるが、仮釈放から10数年、仮釈放の時の二人のおどおどと脅えたような痩せっぽっちが貫禄あるおじさんになった姿を観ると世知がない娑婆の暮らしでも、三食寝場所付の獄中よりは人間らしいのだと、エンドロールに涙した。

「ショージとタカオ」そのタイトルの元になった「サッコとヴァンゼッティ」あの二人が果たせなかった無実の幸福をお二方には噛みしめて欲しい。

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