2012-07-20

苦役列車 Kueki ressha

セリフや映画に映るカレンダーなどから、この話はバブル時期の僕より一回りほど下の世代の話だと判った。

中卒男でまだ二十歳にもなっていないのに、日雇い労働で稼いぎ、酒と風俗に費やす暮らしを続ける男の趣味は読書。

バブルの恩恵も学歴のないこの男には無関係で、唯一バブルだから日雇いの仕事はあった。

その日暮らしの男は仲良くなった男から金を借り、滞納していたアパートを追い出される前に出て行き、新たなアパートを借り、好きな女と友達にはなれるけど性急すぎて恋人になれない。

そんな行き当たりばったりな男も怪我はしたくはなく、無難な仕事ばかりを選んで下積みから抜け出そうともしない。

どうしょうもない男のどうしょうもない生き様も歳月経て、これじゃいかんと思い始める。

どんなに頑張ったって、上が見えている下流生活。それなら自分の生き甲斐に生きたっていいじゃないか。

森山未來の役者根性ともいえる役作りも凄いけど、噂ほど汚くは感じなかった。バブル以降に生まれた今の若者たちは引いたみたいだけど、20世紀少年の僕はこんなの当たり前。これから始まるだろう苦役時代、サバイバルに生き抜くために観た方がいいんじゃない?

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