2013-10-28

ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD1987

ウッドストックというよりもオルタモントの悲劇という感じ。

音楽業界でモノを書いているんだろう人達とあの場にいなくてあの人達を懐かしむ人達が絶賛する1987年に熊本・阿蘇で行われた日本初のオールナイトロックフェスティバル「BEAT CHILD」のドキュメント。

豪雨、強風、泥流、高原の冷え込みの中、強行された「BEAT CHILD」

バブル世代より一世代上の僕としては名前と有名曲を知る程度のアーティストたちとこのとんでもない状況で行われたライブであることが何となく観たくて特別料金であるのに観に行った。

開催主催者の弁明のようなナレーションがうるさく、ライブ模様よりも楽屋裏を見せようとするマニアックな編集、頻繁に映し出されるずぶ濡れ、泥だらけは観衆。そんな作りのドキュメントは弁明するナレーションとは裏腹に当時のあの場所のアーティスト達の素顔が見えて面白かった。

オープニングでまだ本降りになっていないうちにライブを終えたブルーハーツの「この雨最高」のパフォーマンス。やけくその岡村靖幸。機材使用不能で1時間半つなぎをやらされる羽目になる白井貴子。HOUND DOGの大友康平の強がり、びしよ濡れのステージ、感電の危険性があるのに滑るのが怖いからなのか裸足になる渡辺美里の開き直り。そして、日の出とともに雨が上がり、いいくじ引いた佐野元春。

7万2千人の犠牲者を出して、日本の熱さという日本の常識を記録したこの映画、世界の映画祭に是非出品して欲しい。

バブル期の史上最悪なオールナイトロックフェスティバルの記録。結構怖い日本の常識が見えてくる。

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