別れた家族の物語。是枝裕和監督の描き方は更に日常描写に重きを置く。
何気ない会話の積み重ねで見せる描き方はうまく、別れた息子夫婦を気遣う老母を演じる樹木希林が秀逸。
重くなりそうなエピソードでもユーモアを配置し、細かな設定が活きているシナリオはさすがと思うけど、この頃の是枝作品のだから何なのという観終えた後味がやはり気になる。
何の問題もない家族を描くならばこれでもいいだろうけど、家族にとって重大な事柄を抱えているのに、こういう家族がいますと観る方に投げ出す演出は演技のうまさ以外やはり何も残らない。
いいシナリオ、うまい演技から方向性を示す演出があり、映画は完結すると思う。そういう意味でも10年前の是枝裕和の方が人に伝える演出力はあったと思う。
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