2007-10-27

ゆっくり休んで、社会のためになる知恵を wisdom that benefits the society

先日、全国の有給休暇取得率が過去最低という厚労省の調べが公表され、北海道はその中でも最下位という結果が地方紙に書かれていた。

その理由として、「他の人には出来ない」「他の人に任せられない」「他の人に迷惑がかかる」というものが並ぶそうで、これじゃ、一生死ねないねと、日本人の不可思議な社会意識を苦笑してしまった。

自分が死んだ後の準備、例えば、子供達に不自由掛けないための支度などが男性は女性に比べ、自分が死んだ後のイメージを作れないらしく、その準備すら出来ていないのがほとんどとも云われているそうで、女性、特に専業主婦などはドライに自分が死んだ後を見据え、支度できるのに対し、男性は何から手をつけていいのかすら検討つかないらしい。

それほどまでに自分の社会に対する意識は強いようで、契約関係から成り立つと云われているアメリカ社会などでも、日本人はドライに振る舞う事が苦手のようでもある。

ネット検索をすると「有給休暇、理由」なる検索候補が出る事もあり、「休む罪悪感」が根強くあるのかなとも思ってしまう。

この夏、親戚と友人が亡くなり、いろいろ話を聴くと死後の備えが如何に大事か思い知らされる。

友人は親戚関係の複雑さのために家の墓の管理がほとんど付き合いのない従兄に任されており、友人の父はその頃、まだ健全だった従兄の父、友人の父にすれば弟にあたる人に頼み、先祖代々の墓に入れたそうなのだけど、代替わりになり、突然の友人の死にも納骨でのトラブルが起こり、結局、死後、奥さんが新たに墓を買われたそうで、四十九日をだいぶ過ぎてからの納骨となったとか。

親戚はまだ40歳の若さで、癌の転移でひと月あまりの入院の後の死で、まだ幼い子供達は仏間に置かれた遺骨を前に、「お父さん、何か言っているよ」と家族の者に告げるという。

「未練残さずに、成仏してくれ!」故人の父である叔父は亡くなった息子にそう語り、手を合わすと聴く。

社会の役目を過剰に背負い、背負わす日本の風土はだからこそ、「お化け」信仰、「ポックリ」信仰が生まれたのかも知れない。

「ゆっくり休んで、社会のためになる知恵を」

そんなゆとりも夢なのだろうか?

  • OhmyNews : ゆっくり休んで、社会のためになる知恵を

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