ヤフオクで図書館の除籍本として出品されていた編者ボルヘスの書「天国・地獄百科」をゲットし、読み始める。
背表紙に「好戦的な天国もあり、爽やかな地獄もあるとすれば、天国とは地獄とは、そして我々の生きるこの現世とはいったい何なのか?」なる前書きが記されたこの奇書はボルヘスとアドルフォ・ビオイ・カサーレスの本の虫二者が曰く、古今東西のさして必要がない本を基に編み出された古来伝わる天国・地獄にまつわる概念。
編者ボルヘスのシニカルさを堪能出来る一品でもある。
例えば・・・
ある兵士いわく「天国に行っても、時には戦争に、合戦に参加したいもんだなぁ」
もしくは・・・
男から女へ「ある時君に出逢った。しかし、もし天国で出くわしていたとしたら、ぼくは振り向きもせずに、我が道を進んでいたであろう。」
または・・・
アダムによるイヴの墓碑銘「彼女のいるところが、すなわちエデンの園であった。」
見方を変えれば・・・
魔王の告白「私がいくら飛翔しても行き着くところは地獄。私が地獄なのだから。」
読み進むほどに天国、地獄のモチーフが浮かび上がってくる。
「生きてるものが死んでいて、死んだものこそ生きている」内田百けん先生も師と仰ぐボルヘスの「現世は仮の宿なるを」。
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