二階の自室でパソコンをやっていると、階下から来客らしき人の声が聞こえてきた。自律神経で家に引きこもりがちの母を気遣ってくれる近所に住むおばさんの声だ。茶の間から母が出迎え、二人の会話が二階まで聞こえてくる。
「この頃、耳が遠くなったみたいで」
「耳が遠くなると長生き出来るって云うよ。」
「余計な神経を使わなくていいからね。」
耳が遠くなったという母を元気づけようとするおばさんの気持ちに感謝すると同時に、耳が遠くなり、年老いていく母に寂しさを感じた。
「余計な神経を使わないように」「余計な神経を使わせないように」神経過敏が神経を鈍らせる。
「惚れる」と書いて、「惚ける」。老いるとは人を思い尽くす事なのかも知れない。
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