2009-07-27

正社員になりたくて want to become a regular member.

今朝、出勤途中の地下鉄で、真新しいスーツを着た青年が僕の隣に座った。

ぶら下げていた大きなカバンを床に置き、腰掛けた彼は一枚のメモ書きされた紙切れを広げ丹念にそれを読み返していた。

メモ書きされた紙切れが気になり、悪いと思いつつ、さりげなくのぞき見ると、乱れた文字で殴り書きされかけたその文面は、面接を受けるための下書きなのか、ハローワークで語るためのものなのか、判らないけれども、自分の苦労の話が切々と書かれてあった。

その文面には、「正社員になりたくて」という言葉が何度も繰り返されていた。「正社員になりたくてアルバイトをした」、「正社員になりたくて朝四時半に起きた」、「正社員になりたくて頑張ったけれども体力が持たなくなった」。

行き先を確かめるため、地図を広げ、眠気覚ましなのか自分の顔を平手で叩き、下車する駅に着くと彼は降りていった。

週末の職場では業務縮小の昨今、今の職場ホストを維持するために、現場を知らない役員幹部へどうアプローチしていくかの画策が見え隠れもする。地下鉄の彼を取り巻く厳しい状況はよーく判る。

職場近くの駅に着き、降りると駅前ではどこかの政党の広報カーの「景気対策」を連呼する声が聞こえて来る。

政治を志す方々はどれだけこの厳しさを理解しているのだろう。ふと思う。

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