すっきりしない空模様が続くこの頃、昨夜も雨が降りしきっていた。仕事帰りに銭湯に寄り道して帰宅するのは午後10時過ぎ。家の前に来ると、いつも定期検診を受けに来ていた従弟の車が停まっているような錯覚を思い描く。
家に入ると、母が従弟の訃報を教えてくれた。
享年38歳、ガンによる脳死の末の死だった。
僕より若い人たちが自殺で死んでいくのはいつの時節にもあるけれど、この頃は身近な方々の病死が増えている。
若いと心臓を動かす筋力が強いため、脳死になっても生き続ける。肉体、精神の限界に思いを巡らす事の出来ない時代の犠牲者は脳死者かも知れないと思う。
自分の38歳の時を思い返し、彼の脈打つ「いのち」の無念を感じ、生きる者すべてもやがては脈打つ「いのち」の無念と向き合うのだろう。
従弟は生まれ故郷に帰り、荼毘に付される。
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