24時間の点滴システムをつけ、毎夜眠る日も幾晩が過ぎ、身体中にまわった毒素の証である黄疸も目に見えて綺麗に取れ、赤みがかった肌の色が戻りつつあるこの頃。
夜も明け、白じんだ朝5時、突然24時間の点滴システムから緊急警報の音が鳴り始めた。
寝ぼけ眼でまだ目が覚めない僕のベットの横、宿直の看護婦さんが部屋の明かりも寝ている僕を気遣い、懐中電灯片手にエラー音の解決策に手を尽くしていた。
それから2時間程度の後、寝起きの僕はトイレに用を足し、洗面を済ませ、ベット横に戻り、点滴システムに電源コードをつなぎ直すとまたエラー音が鳴り始めた。ナースコールを鳴らし、看護婦さんを呼び出し、事情を離すと、動き回った時に、血が針先から逆流して、その血が固まりかけると点滴が流れなくなるからエラー音が鳴るとのこと。
どんなに精密な機械であってもエラー回避を自動で行うには限度あり、人の手を介さなければ精密な働きはなさなくなる。
膨大な資金が最新鋭技術につぎ込まれ、それを管理保守する人件費が抑制に向かうなら、精密機器に守られ、活かされる現代は管理保守のいない荒れ地になるだけだろう。
人が作るもの、人を活かさなければ、無駄になる。
当たり前の理屈が忘れられている。
外では朝早く降り積もった雪をダンプカーで除雪する工夫たちが働いている。朝の交通ラッシュに間に合うように。
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