2010-01-14

がんばれ Do your best

同じ部屋の大腸疾患の患者さんが内視鏡検査のため、詳しくは判らないけど朝の5時から大量の下剤を飲み、排便をせかされている様を見るにつけ、これこそ「がんばれ」としか言いようがないよなぁと思う。

昨日の主治医の経過説明で退院の話がやっと出てきたせいか、一緒に話を聴いた従妹が、病室に戻った後、入院当時、主治医から聴かされ、口止めされていた話を教えてくれた。

主治医は急性肝炎は死にいたる危険性もあるもので、僕の検査数値は肝機能の値は非常低いものの、肝炎と闘おうとする値が思いの外よく、それに賭けて、治療を行うと話したという。ただ、最悪の事態の覚悟も求められたらしい。

自律神経失調で看護にも来られない母や糖尿で車椅子生活をしている叔母に話すことも出来ず、従妹はひとり、その覚悟を胸に秘め、僕の身の回りの世話を焼いてくれた。

具合が悪いとか、身体がふらつく、どこが痛いなどの自覚症状がなく、ただ黄疸で身体の色が気味悪く、尿も血が混じったように妙に赤みを帯びた真っ黄色なのが怖いと思う程度の僕も、入院翌日の個室への移動、数日して黄疸が引き始めた時の看護婦さんたちのオーバーに感じられる喜びように違和感を感じてはいたけど、そこまで深刻だったのだなぁと改めて、無無言の臓器である肝臓の怖さを思い知らされた。

病気と立ち向かう患者さんに対し、看護婦さんたちは「がんばっている」と励ますけれど、「がんばる」とは死ぬまいとすることなんじゃないかと思ったりする。

身体は本能的に「がんばる」ものであり、「がんばる」身体を保つことが人間にとっての「がんばる」意味なのじゃないか。

命があって始めて、社会がある。そのことを忘れると、社会のために無理をして当たり前という本末転倒な理屈がまかり通るのじゃないか、とふと思う。

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