大部屋に移り、一番変わったのが食事で、なま物OKになり、最初の夕食についていたデザートのパインの甘さは格別だった。
日に三度の食事もビフィズス菌飲料がついていたり、今まではソティとして出されていた青菜物がおしたしとして出されたり、好き嫌いないから別に食べ物に固執はなかったけど、この病気になったことで、食べられるありがたみを改めて感じもする。
入院当初に聴かされていた夕食のふたパターンから選べるメニューも利用できるようになり、単に魚か、肉かの選択だけども、それだけでも身体がよくなったんだと実感できる。
みかんのゼリーはまだしも、時季はずれのぶどうは種が果肉よりも多かったりするけど、果実の甘みに癒される。
同室の若者は大腸疾患のため、お粥ご飯に空腹が満たされずに早く寝て、我慢をすると言っていたけど、向き合って食べる時に何となく申し訳ない気もする。
昨日は従妹が届けてくれたパソコンとDVDプレーヤーをセッティングして、従妹が家にあるDVDから適当に見繕ってきたものから、自殺志願者に桜桃(さくらんぼ)の味を忘れたのかと語るイラン映画「桜桃の味」で知られるアッパス・キアロスタミ監督の初期短編作品「パンと裏通り」を観る。
パンを買いにお使いに行った坊やが怖い犬に行くてをはばまれ、通りすがりのお爺さんにくっついて歩き、難を逃れるたわいない寓話は何か人生を感じさせる。
「桜桃の味を忘れたのか」生きるとは誰かに助けられていることを思い出すことなのかも知れない。
2 件のコメント:
亀井さん
ご無沙汰しています。
ゲゼルMLに最近投稿がないので、どうしたのかと
思っていました。
回復に向かっているようなので、なによりです。
私は二年前に心臓手術をしました。ですから、入院生活はよく知っています。
とまれ、はやく復帰されることを願っています。
稲見
稲見さん、ご無沙汰しています。
初めての入院生活でマイノリティを深めようとこんな闘病記を書いています。
病気をしてわかることって案外多いんですよね。
それだけ如何に、自分の体調に無関心だったか痛感させられもします。
お気に止め頂き、うれしいです。
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