2010-01-06

個室病棟にて In the ward in the private room

正月の静けさも終わり、人の出入りの激しいナース・ステーションのすぐ傍にある主に重症患者が使う個室病棟の一室であるこの部屋でも、昼の見舞い人たちの賑わいが、社会と触れ合えているようで心が和む。

ここでのライフスタイルもすっかり馴染んでしまい、消灯時間の午後10時になると眠くなり、観たい映画をテレビでやっていても、睡魔に襲われる。

寝付き、目が覚めるのは夜半の深夜1時か、2時。数日前に隣か、その隣の部屋の人が亡くなられたのか、看護婦さんの駆け回る足音が廊下に鳴り響き、家族の方たちのざわめきのようなものが聞こえていたけど、今夜は隣の部屋に今日、入った女性の人が苦しげにせき込む音が聞こえてくる。

辛そうだなぁと思いつつ、まどろみの中、看護婦さんが僕の案配を見に、懐中電灯片手に部屋に入ってくる足音に、寝た振りしながらも、身体の免疫力を落とす点滴、投薬治療のせいなのか、それとも気遣ってくれる人がいてくれる安堵なのか、僕はまた寝入ってしまう。

どれくらい寝たのだろうか。24時間点滴を行っている機械のエラー音が鳴り響き、おそらく仮眠を取っていたのだろう看護婦さんが走る足音が聞こえ、目を覚ます。午前4時。起き上がるにはまだ早く、寝入るには半端な時間。

枕元に置いた携帯でネットを開き、ミクシーなんかを開いてみる。隣の部屋のおばさんはまだせき込んでいる。

ちょっとまた疲れ、目を瞑るとまたうとうとと。

朝6時には眠気も覚め、窓のブラインドをあけ、冷気を感じ、まだ薄暗い街を眺める。

主治医から点滴は終わり、これから急激に薬の量を減らしていくから、身体がきつくなるかも知れないから無理しないようにと言われたけれど、まだまだどちらに転がるか判らないこの身体。

また身体を冷やさぬようにベットに入り、明けゆく空を眺めている。

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