検査もなく、ただ病室で日がな一日過ごす日々、ネットブック・パソコンが届き、暇つぶしが出来る ようになった。
ただ、ネットに繋ぐ環境がなく、どうしたものかといろいろ考え、調べていくと、どうも手持ちのスマートフォンのアドエスに無線LANの機能を持たせるソフトがあるようで、そのソフトとウィルコムの無線LANオプションを組み合わせれば、追加料金わずかで、ネットし放題の環境が整う事が判り、試してみた。
こんなわずらわしい事を調べられるのも入院していて、時間があり余っているからで、ゆとりあって始めて、ハイテクは活用できるのだなと変に納得したりしている。
同室の若者のところにはひっきりなしの来客で、寂しがり屋っぽい若者は夜になると電話を掛けまくっている。けれども、ひっきりなしの来客もよく見れば、同じ顔ぶれが毎日来ているだけで、病気の人を案じてくれる人って案外限られてくるのだろうなぁと思ったりする。
僕も身内の他は、職場と後、飲み会の約束をした仲間くらいにしか、入院のことを教えていないけど、B型肝炎という病気の知識が欲しくて、その事に詳しく、付き合いあった方たちにも教えはしたけど、何のフローもして貰えなかった。
人が苦境に立った時、信じられる人かどうが判るというけれども、確かになぁと思ったりもするけど、今、よく言われている「孤独死」って、そんな苦境を理解できない人ほどなるんだろうなぁとも思ったりもする。
そんな折、数年前に、YOUTUBEにアップした映画「海よ、お前が」の動画について、見知らぬ人から問い合わせのメールがきた。
この映画「海よ、お前が」は帆船日本丸に乗り込んだ商船学生たちのドキュメントなのだけれど、思い出持つ人が多いみたいで、時折、問い合わせがある。
その人も自分の思い出をメールが語られていた。
たまたま僕はそのビデオソフトを1980年の公開まもなく発売されているのを知り、購入していたので持っていたのだけれど、DVD化もされていない今ではお宝なのだろう。
海よ、おまえが泣いてる夜は
遠い故郷の歌を歌おう。
海よ、おまえが呼んでる夜は
遠い船乗りの歌を歌おう
中島みゆきの「海よ」を思い返し、今日、主治医からの経過報告を一緒に聴いてくれ、身を案じてくれる従妹がおり、孤独にならなくてすんだ自分が幸福と感じる。
経過良好の知らせに、従妹は、入院当時に病院側から告知され、口止めされていた危険な状態を、僕に話し、「よかった」と涙する。
そして、僕は映画「海よ、お前が」を懐かしむ人と退院したら、と約束のメールを送る。
海よ、お前は覚えているか
若い船乗りの夢の行方を
海よ、お前は覚えているか
そして帰らない小舟の数を
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