2010-01-19

肝炎対策法 Hepatitis policy act

自分が発症したB型肝炎について、調べていくと、薬害として騒がれたC型肝炎とともに、戦後日本のずさんな医療体制が引き起こした国内最大の感染病である事が判ってきた。その数は発症患者で約350万人といわれ、発症していなく肝炎が潜伏しているキャリア者を含めると国民の10人にひとりがウイルス性肝炎の持ち主であるとも言われているらしい。

B型肝炎の場合、1960年代頃まで集団予防接種が学校などで義務的に行われており、その際、注射針を取り替えずに、複数人に使いまわしされたがために感染した人が多数おり、国の責任として各地で訴訟を起こしており、薬害訴訟とこの集団接種訴訟の動きが、肝炎対策法の制定を後押ししている。

肝炎対策法は昨年夏の解散劇で、審議途中のまま、廃案になり、11月30日に自民党欠席のまま開かれ、ウイルス性肝炎の患者支援と医療体制の整備を盛り込んだ肝炎対策基本法案が全会一致で可決された。

その内容はあくまで肝炎対策の基本法案であり、具体的な救済策はまだ具体的に示されておらず、12月4日に札幌にて行われた北海道B型肝炎訴訟公判で、原告団共同代表から「私たちには時間がないので早急に法案の具体化を進めてほしい」と国の姿勢に対する要望が語られ、それを報じたテレビキャスターは、肝炎対策基本法について「仏作って魂入れず」と語っていたと、肝炎患者さんのブログで書かれていました。

僕の場合も肝炎の型から、子供の頃に何らかの形で貰ったものらしく、肝炎感染の主なものである母子感染、大きな病気をしての輸血感染など心当たりがなければ、集団接種によるものと考えられるらしく、大人になってからの感染ならば、一過性でウイルスを身体から排除出来るらしいけど、子供の頃に貰ったものは、身体の免疫力が十分成熟していないがために、ウイルスを身体の一部と認識し、慢性的な肝炎になっているケースや肝炎が発症しないまま、抗体化するキャリアになるなどがあり、数十年して、何らかの要因で身体の中に潜んでいたウイルスが発症するというケースに僕の場合は当たるらしい。

高額な医療費がかかる特定医療疾患と認定されながらも、長い時間、治療に費やされるなど、生活に多大な影響をきたすこの病気に対し、具体的な支援策がまだ示されておらず、この国では内臓疾患に対する障害認定は、肝臓ならば、肝硬変など重症化して初めて認定されるという厳しいものであり、無理できない身体である肝炎患者に対する具体的な支援策が早急に望まれるし、救援団体による訴訟という形でしか、今ある命を救う手段はないと聞く。

肝炎対策基本法案の付帯決議として、以下が挙げられており、早急な具体策が示されることを願うばかりである。

  • 施行にあたり肝炎患者等であることを理由に差別されないよう人権尊重に最大限の配慮を行うこと
  • 肝炎の唯一の根治治療であるインターフェロン治療は、現在、収入に応じて、月1万円、3万円、5万円の自己負担になっているが、これを原則月1万円にするのが、従来の民主党の主張で、また、B型肝炎の抗ウイルス療法についても負担軽減策が講じられると予測される。
  • 治療と社会生活を両立できるよう、地域における診療体制の整備や勤務時間等について企業等に柔軟な対応を求めること
  • 肝炎治療のための休職・休業を余儀なくされた患者に対する支援について早急に検討を行うこと
  • 地域の拠点病院の整備を図るとともに専門知識及び技能を有する医療スタッフ育成のために必要な措置を検討すること
  • 肝炎医療を行う上で必要が高い医薬品等について治験を迅速かつ確実に行うための体制の整備等を講ずること
  • 肝炎以外の慢性疾患についても必要な財政支援のありかたについて検討すること
  • 肝炎対策推進協議会の人選にあたっては、肝炎患者等をはじめとした幅広い理解を得られるよう公正中立を旨とすること

0 件のコメント: