小児ガンの子供たちの10年を記録した映画『風のかたち』が小児ガンは治ると綴ったドキュメンタリーで、この『大丈夫。』は治せなかった子供たちに捧げたレクイエム。
そのような事を北広島市の図書館で行われた試写会で、伊勢真一監督は語った。
俳人でもある小児科医、細谷亮太医師のコトバに、助けられなかった子供たちの映像が被さる。
細谷先生はいう。
「命とは、死にたくないのに死んでしまった人の事を思うと、判るのかも知れない」と。
目を輝かせ、将来を語る子供たちの映像の後に出る若くして亡くなった字幕は、あまりに切ない。
会場に来ていた細谷医師がシニカルに「私が『大丈夫。』といったら、子供たちが死んでいく」と語られていたけど、細谷医師の痛みがそこにあるのだろう。
主題歌としてバイオリンで奏でられる「シャボン玉」は大人になるまで生きられなかった子供たちの歌。
「シャボン玉とんだ 屋根までとんだ
屋根までとんで こわれて消えたシャボン玉消えた 飛ばずに消えた
うまれてすぐに こわれて消えた風 風 吹くな シャボン玉とばそ
会場で語られた細谷医師の句が心に残る。
春の闇 生きて いる人 死んで いる人
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