埼玉県立浦和商業高校・定時制のあるクラスの4年間を追ったドキュメント映画。
様々な理由で、不登校を繰り返し、どうにか義務教育を終えたこどもたちが昼間は働きながら、夜、通ってくる学校。
突っ張っているのもいれば、内向的なのもいる、一学年一クラス。
その担任はこの子等の居場所になれればいいと語る。
メインとなる子は、教室には入らないのに、職員室に入り浸る突っ張った女の子。
その子が同じクラスの子をかばった事から教室に来るようになり、授業を受けるようになる。
中学の頃、大人しくしていて、いじめられ、突っ張んなきゃ居場所をなくすから突っ張り始めた気の弱い子。
もうひとりは、DVで親から保護され、児童施設に引き取られた女の子。
4人兄弟の一番上で、義務教育は終えたのだから、社会に出て自立するようにと児童施設から定時制に通う事を禁じられ、面会も連絡も取り次いで貰えない女の子。
その子を励まそうと唯一交流の手だてとなっている学級通信に、励ましの言葉を綴る同級生達。
そして、もうひとり、自分の身の回りの事は何も話さず、明るく振る舞う女の子は時々過呼吸の発作を起こし、ある日、リストカットをやり、笑いながら、「バカだよね。けど、こうするとすっとするんだ」と話す。
そんな子達の4年間。
そこにはその子達の進級問題もあれば、定時制の存続問題も起こってくる。
全員進級が叶わなかった時、担任は怒り、かといって、生徒を責める事はせず、自分の好きな詩を読んで聴かし、泣き出してしまう。
「自分の感受性くらい自分で守れ!」
社会のモラルより、この子等の居場所が大切とする担任と子供達。
そんな働かなきゃならない子供達の学ぶ場所はこの子達の卒業後、浦和ではなくなったという。
今、数百人いるといわれる震災孤児たちは学ぶ場所を与えて貰えるのだろうか?
映画を見終え、思うは月あかり。
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