人気コミックの映画化とかで、「ガチ☆ボーイ」
アイドルグループのサウンドクリエイターと音楽好きの女子高生の恋愛ドラマは芸能界の裏話的であり、青春テイスト満載のお話で、映画は東京に暮らす若者たちの日常を捉えるように街並みをふんだんに見せながらドラマを進める。
芸能界の裏話的恋愛ドラマという非日常的な話がそうすることで等身大の若者のドラマに見えて、彼が作った曲を聴く場面などではわざと曲を聴かせずに周りの音だけを聴かせる手法を使い、観る側のイマジネーションを高めていく。
本筋だけを語らず、ドラマの周りにある空気を感じさせることでドラマが深まる見せ方がとても成功している。
東京の景色がこんなに生き生きと映し出され、ドラマにとけ込んでいる映画は久々に観た。
ありきたりのラブストーリー、撮り方次第でこんなに生きてくるんだな。
世界最高の技術を持った航空士官が作戦のまずさを嘆き、死にたくはないとつぶやいた。
自分の祖父が何故特攻兵として死んだのか、生き証人の老人たちの話を積み重ねて、思い描く祖父。
「ALWAYS 三丁目の夕日」
三浦春馬が浮いている気はしたけど、岡田准一はいい俳優になっていってるな。
死にたくない人間がどう死のうとしたか。この物語のテーマは選択肢がなくなっていく恐怖であり、なくなっていく選択肢の中で守るものをどう守るかなのだろう。
死ななくていい人間が死んでいった時代。それは行き当たりばったりで配慮ない政治が無駄死にを数多く出した時代。
一匹の猫を飼っているポリオの青年はストレッチャで移動の重度障がい者。その彼の願いは好きな女性と一緒に暮らすこと。通う教会の牧師に悩みを打ちあけ、セックスセラピストの女性に性の手ほどきを教わる。
とても素敵な性教育映画でありながら、日本では何故か18禁作品として上映されたこの作品。性は罪悪ではないとしたテーマと「障がい者の性」をにまともに向き合った作品。
語られる会話が露骨であるけれど、それが性教育であり、妄想ばかりが大きくなりすぎた障がい者にマニュアルは読むなと言うセラピスト。
そういう人の愛し方を描いた映画を18歳以下は観ることを禁じるこの国の性意識はとても変態なのだろう。人の愛し方を自由に見せない国で大人が観る性教育映画は身体が不自由でも人の愛し方を覚えた人の物語。
ジム・ジャームッシュ監督の新作。といっても近作はほとんど観ていなく、ほんと、久々のジャームッシュ・タッチ。
現代に生きる吸血鬼カップル、アダムとイヴの物語は、汚れきった人の血に嘆き、何でもむさぼり食うゾンビを嫌悪する。
イヴはiPhoneを使いこなすハイテクな女性で、アダムはマルチミュージシャンながらアナログなアンティークな生活を楽しんでいる。
そんなふたりが久々に再会し、汚れきった現代に触れながら、なおも生き続けようとする。
地球はその大半を水で成り立っていて、人の血もその大半が水から成り立っている。
清らかな血を求めさまよい歩く吸血鬼にとっても生き抜くことが難しい時代。ジャームッシュ・タッチは気怠く世界の終わりを見せていく。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の新作は腕利きの鑑定士に姿を現さない依頼人からの鑑定の仕事をしていくうちにその依頼人に心惹かれていくというミステリー。
社会背景があるわけでもなく、巧みに仕組まれたミステリアスな物語を楽しむ映画は監督の手腕のうまさを楽しむもの。そして、仕事一筋の鑑定士が心奪われた末の結末は願いなんだろう。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督がこういうミステリーを作ったことがちょっとびっくりだったけど。
は未見ながら、二作目の「
と同様、スターリンに背いた父とその娘の過酷な戦場の流浪の旅が本編でも繰り広げられる。
