2007-08-21

映画『シッコ』を観る前に Before seeing the movie 'SICKO'

国民健康保険がない国アメリカの、死ぬか生きるかの医療事情を描いた映画『シッコ』。大変気になり、期待もしているのですが、その背景には国民健康保険がある国日本の現状があまりにおざなりにされているようで、他国の庭を観てみたいのかなと思ったりもしているところ。

というのも、個人事業者として青色申告をしている都合、所得が安定していない身の上で、一昨年は所得が少なかった分、昨年の国民健康保険料の納付額は少なかったのだけど、今年は年間、月間ともに桁が一桁多い納付通知にビックリしているからである。

区役所に問い合わせると、昨年の所得が一定額を超えているためという事で、同時に昨年から変わった保険料の計算方法が変わった事も影響していると教えてくれた。

納付通知書に同封されているチラシによると、それまでの「住民税額」を基にした所得割額を計算する方法から、世帯に属する加入者それぞれの「所得から33万円を引いた金額」の合計額に所得割の料率をかけ、所得割額を求めるように変わった旨が書かれてあった。

さらに、「どうして変えたのか?」として、以下の文章が記されてあった。

住民税方式の下では、所得割の対象となる住民税課税世帯(国保加入世帯の4割強)で、保険料全体の8割を負担するという状況(特定の世帯への負担の偏り)が生じており、また、税制改正により住民税が増減すると保険料も変動するという課題がありました。(特に、年金世帯については、税制改正によって住民税が上がることが見込まれ、住民税方式を続けた場合には影響が大きくなるものと考えられます。)このため、保険料の計算方法を所得比例方式に変更し、これらの課題の改善を図りました。

これって、改善なんでしょうかね?

住民税課税世帯が国保加入世帯の4割強というのも異常だけれど、その状態を黙認していたという事でもあるだろうし、税制改正と連動する国民健康保険料はまずいから変えたとも読める。

そして、住民税課税世帯にもなれない低所得家庭から頭数から算出し、国民健康保険料を納付通知したところで、ない袖は振れない未払い世帯が出るのを判りつつ、「改正」したとしか思えない。

うちの場合、年老いた母との二人暮らしなので、所得で単純に計算されると、母の年金から33万円を引いた金額も計算の中に含まれているのかも知れない。

幸い、うちは今年、支払えるくらいの所得が見込めそうなのでいいのだけれど、国民健康保険料を納付できなく、病院にもかかれない家庭も出てくるだろう事は容易に想像できないだろうか?

このような安易な「改正」を続ける国民健康保険がある国日本は、国民健康保険がない国アメリカに見習おうとしていると思った方が、この頃おかしい医療事情の裏側も見えてくるのじゃないだろうか?

その意味でも映画『シッコ』からいろいろ情報を得たいと思ってもいる。

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