2007-08-05

魂萌え! Soul bud

レンタルDVDでも出ている映画『魂萌え』

劇場封切りの時に見たのだけれど、女性専用のカプセルホテルが熟年主婦の逃避場所として描かれ、奇妙なお婆ちゃんが身の上話の聞き役のアルバイトをしているという場面があり、カプセルホテルが社会の縮図として描かれていて、面白かった。

制作の時に原作者の桐野夏生さんが男の映画を数多く手がけている阪本順治監督に「女の視点」を大切にするようにと云われたそうだけれど、長年連れ添った夫が急死し、自分が知らなかった夫の私生活があった事に憤慨し、私の人生は何だったのと、50代の自分捜しをする主人公が目にする物はオブラートにかかっていてきれいに見えていた現実社会。

綺麗に見えていたオブラートが薄汚れていて、オブラートにかかっていた醜い物がた磨かれなかったダイヤだったりして、偏見に満ちていた人生のレールの軌道修正をし、自分らしく生きようとする主人公。

なりを潜めていた熟年離婚が年金制度改革とともにまた活発化したというこの頃、こんな自分捜しも活発化しているのかも知れない。

自殺への誤解5割という内閣世論調査が発表もされたようだけど、統計学で「人の生き方」なんて判るわけがない。押しのけあって、席取りゲームした虚しさ。

幼い頃から今まで立ち会った死んだ者へのレクイエム。

電車に飛びこんだあの人。ビルから飛び降りたあの人。ガソリン被ったあの人。首を括ったあの人。殺されたあの人。

今、自分が生きている理由。

  • OhmyNews : 今、自分が生きている理由。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

桐野夏生は「OUT」くらいまでは好きだったのですが「グロテスク」読んでからちょっと敬遠。
「魂萌え!」は原作も読んでなくて、映像も見てません。
でもDVD見てみようかな~
カプセルホテルも出てくるみたいだし。

cinema-novo さんのコメント...

桐野夏生さん、結構読んでいるんですね。

僕は「魂萌え!」の他はビデオで「柔らかな頬」を流し見しました。

「魂萌え!」は風吹ジュンが頑張っているけど、カプセルホテルの老女、加藤治子と夫の愛人、三田佳子の存在感は凄い。

女性用カプセルホテルのニーズは見ていて気になりました。