スーパー銭湯の中に入っている食事処で、我が子から届いたメールの内容を同伴した友達に話している女性の方がいた。周りを気にせず、大きな声で話をしているその内容は近く座っていた僕にもよく聞こえるもので、そのメールの内容は我が子が勤める職場環境の急激な変化に対する愚痴のようなものだった。
その話の中で、驚いたのはその上司が喋ったという「顧客なんか作らなくていい。ともかく売れ!」というもので、成果主義が横行する最近のビジネス界もとうとうここまで来てしまったのかと思わずにいられなかった。
数年前、同じ職場で働いていたアルバイトの学生が就職し、社会に出た時、その入社式で「この会社に一生いられると思うな」という訓辞を聞かされたという話に、終身雇用の崩壊、社員使い捨てが始まったかと思ったけれども、今回聴いた「顧客なんか作らなくていい」は売れればいい的なゲリラ商法へとビジネス形態が変わってきて、顧客の信頼を得る事で会社の信頼を作るという今までの当たり前のコンセプトの否定であるだろう。
ネット広告の掲載などやっていると、企業名を出さずに、何を売っているかばかりを強調した広告が多い事が当たり前になっており、掲載終了の時など、始めて聞かされる企業名にどの広告が終了になったのか判らないケースがままあるけれども、社会全体がそれでよしの状況になってきているのだろう。
ビジネス取引後のトラブルの多発など「顧客軽視」の社会的リスクは大きいと思うけど、社会のモラルはなぜそこを問わないのだろう?
母親にメールしたその子は、素朴にその会社のやり方に対し、疑問を述べているもののようだったけれども。
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