2013-08-02

終戦のエンペラー Emperor

広島へ原爆を投下しに行くB-29、エノラ・ゲイの映像からこの映画は始まる。

国民に降伏を告げず、「堪え難きを堪え」と語った天皇の戦争責任。それを取り調べる任務を課せられたマッカーサーは大統領の椅子を狙う野心家だった。

映画は知日家のフェラーズ准将を中心に描かれるが、フェラーズ准将の悲恋の話は正直つまらない。

サスペンス・タッチで天皇の側近たちの証言が描かれ、マッカーサーの野望がそれに絡む物語は面白い。

「世界最大の火葬場と化した東京」で近衛文麿元首相が侵略行為を「あなた方と同じ事をしただけだ」と開き直るなどの日本の為政者の傲慢ぶりと天皇を操ろうとするマッカーサーの陰謀。それは繰り返し映し出される「火葬場と化した東京」の庶民たちとは無縁の戦争責任だ。

天皇を絞死刑にしたら叛乱が起こる。米国軍が恐れた日本が実際はどうだったのか気になるところだが。

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