日常に潜むサスペンスを描かせたらピカイチのフランソワ・オゾン監督。新作は文才あふれる少年の作文添削指導する学校教員が少年に翻弄される物語。
少年の皮肉あふれる文章を指摘するうちに次々に続きを提出してくる少年の書き上げた物語にどんどんのめり込んでいく教員は続きを読みたくてしてはいけない罪を重ねる。
予告を見た時はパゾリーニの「テオレマ」に似た話かなと思っていたけど、少年がかき回す家族は作文のネタとされ、その話を読まされる教員の家庭がかき回されるという構造劇。
人は人の家庭の事情にたやすく入り込める。ネット社会である現代だとこの映画より巧妙に危険なプロットは実践出来てしまうだろう。
フランソワ・オゾンの最新のおとぎ話はいつものように恐ろしい実社会を映し出す。
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