拉致監禁された女とその部屋で生まれ育った息子。納屋に作られた部屋しか知らずに5歳になった息子に女は希望を託す。
前半の閉ざされた世界の物語は、拉致した男という恐怖と二人だけの幸福な世界、後半の開かれた世界の物語は、救出された二人を好奇の目で追い回すマスメディアと二人を守ろうする家族の世界。
カメラもシナリオも息子の側から世界を映し出し、母親との絆の深さを伝える。
拉致監禁という事件も拉致監禁された女を追い回すでもなく、ただ「部屋」で生まれ育った息子を追う。
何度か訪れる母との別れに泣き叫ぶ息子。その息子がいたから生き延びられた女なのだろう。
親と子の絆。私生児として僕を生み育てた実母の想いもこんなのだったのかも知れない。
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