2016-04-20

スポットライト 世紀のスクープ Spotlight

まったく関心のない米アカデミー賞の作品賞とかで、「扉をたたく人」のトム・マッカーシー監督作品とのことで観に行った。

神父による児童の性的虐待を隠蔽しようとするカトリック教会を暴き出そうとするボストンの新聞記者たちの物語は巧みなシナリオ構成で、複雑な背景を浮き彫りにさせていく見せ方はさすがと思うし、画面に釘付けにされる。けれども、カトリック教会という大きな権力の妨害などが描かれないためか、ただ真相を暴き出すだけのドラマになり、怖さ、ヤバさが見えてこない。それがただ面白いだけの後味が残らない映画になったような気がする。

取材拒否はあっても、取材妨害がない。そこがこの映画の物足りなさで、「扉をたたく人」のトム・マッカーシー監督らしく様々な人種による共同作業という描写や9.11での取材の停滞などがどうも活きていない。

実際のカトリック教会の隠蔽事件のスクープの凄さだけに、もっと厳しい取材の場面もあっただろうに、やはりそこは描けないのかなとも思えてくる。

マスメディアを舞台としたドラマを久々に観た分、物足りなさが残念に思える。

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