2009-01-03

新説SOS New theory SOS

超有名曲であるピンクレディの「S・O・S」も今の若い方々の中では知らない人がおそらく多いのだろう。10年ほど前にはアニメの挿入歌で使われていたみたいだけれども。

男は狼なのよ 気をつけなさい
年頃になったなら つつしみなさい
羊の顔していても 心の中は
狼が牙をむく そういうものよ

このひとだけは 大丈夫だなんて
うっかり信じたら
駄目 駄目 駄目 (駄目) あー駄目駄目よ

S・O・S S・O・S
ほらほら呼んでいるわ
今日もまた誰か 乙女のピンチ

この歌への返歌を皆さんはご存じだろうか?

格差時代でなのか、団塊世代の懐メロなのか、発売不可能といわれたオリジナルアルバムが矢継ぎ早に復刻され続ける岡林信康。その中でも最大のブーイング・アルバム「セレナーデ」も無事復刻され、フォークの神様、岡林さんはどうしちゃったのといわれた「新説SOS」もやっと聞く事が出来ました。

狼なんかじゃありません 男は悲しい生き物よ
騙したつもりが騙されて 掴んだつもりが檻の中
おいしい話は 疑って 納得ゆくまでジックリと

このひとだけは 大丈夫
そんな気持ちが ああ甘い
ダメ!ダメ!ダメダメよ

S・O・S S・O・S
ほらほらどこかで呼んでいる
今日もまた誰か 世間の晒し者

後に「酒持って来い!」という歌の最後で、「母ちゃん、ゴメン」と語った岡林さんなら、こういう歌を歌ってもおかしくないと思うのだけど、人など関心なく、主義主張を求めたがる聴衆には理解されないわなと妙に納得してしまうこの歌。

70年代の歌謡曲の編曲を巧みに取り入れた他の曲たちは気恥ずかしくなるし、「スーパー・トンデル・レディー」の岡林さんの飛ばし様はちょっと引くけれど、人と人の化かし合いがこの世の中なのよとでいわんばかりの岡林ソングの王道は男と女、男と男、女と女、そんなの区別する事ないやんけという至極当たり前の理屈であるだろう。

実生活の諸問題と政治を別物にするから、「右、がんばり、左、負けるな」と政治のプロレス中継を望むのだろうし、汚い一票を清き一票にしてしまうオンナ男、オトコ女の議員にこの国の政治を託しもして、気がつけば次の世の中を背負う子供のいない社会を作ってしまったのだろう。

頭でっかちの批評家より、このブーイング浴びた「新説SOS」をカバーした笑福亭鶴光の芸人根性の方がわたしゃ、評価したいもの。

狼なんかじゃありません 人間は悲しい生き物よ

それで別にいいじゃん!

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