夢か、マコトか、幻か
人間様が生きている
仕事始めの前の日、Sony系の音楽ダウンロードサイト mora [モーラ]に若い頃によく聴いていた佐々木好のアルバム楽曲があると聴き、落とし、聴きながら、職場に出向いた。
「客観」と題された歌でリフレーンされる「人間様が生きている」が妙に耳に残りつつも、上司や建物内の他の部署の方々、それに声をかけて下さるお客さんに新年のご挨拶を繰り返し、仕事始めも終わろうとする時、ここ数年来なくなった馴染みのお客さんと仲良くしていた年配の方を見かけたので、挨拶をすると、その馴染みのお客さんが昨年の暮れに亡くなった事を教えて下さった。
絵描きを生業とされていたその方とはひょんな事から言葉を交わすようになり、その方の傍に集まる年配者や身体の不自由な方達ともその方をきっかけに話すようになった。
9.11が起こった時、その絵描きさんが戦争談義をしてきて、平和を守るために報復すべきと論じるその方と意見が対立したりもしたけれども、それから間もなく、身体を悪くされて、「社会の心配より、自分の身体を大切にしなさい」などと恐れ多くも説教などしてしまったが、それから間もなく、フロアーに来なくなり、どうしているかと気には掛かっていた。
幾人も人と「今年もよろしく」と上辺の挨拶を交わしつつも、年を越した分だけ、その人の人生と知らず知らずのうちに共に歩んでいる。
亡くなられた事を教えて下さった年配の方に「存分遊んで、長生きしてよ」と思いつくまま、言葉を返しはしたけれど、そんなちょっとした馴染みの方達と共に、僕は生きている。
夢か、マコトか、幻か
人間様が生きている
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