2009-06-21

ピース・オン・ウィールズ <生きる> Peace on wheels

「この映画を上映したい」と同じ職場で働く脳性麻痺の友だちから聴かされたのは、今年年明け、僕よりも障害程度が重い彼が正月にひとりで沖縄の伊江島にある土の宿に泊まりに行き、帰ってきた時の事。

出来るなら、この宿の女将であり、この映画の主人公である木村浩子さんを札幌に呼んで、話を聴く場にしたい。彼はそう話し、かつて自主上映をした事がある僕に協力を求め、僕は非力ながらもアドバイスをした。

自主上映は企画するのは簡単だけど、上映会にこぎ着けるまでは多くの人の協力を仰がなければならない。どうにかいい形になるように僕はいろいろ案じもし、彼もまたその交流範囲の広さから最もいい形を模索していたようにも思う。

その映画「ピース・オン・ウィールズ <生きる>」は満州で生まれ、脳性麻痺という身体で、戦争を体験し、施設を拒み、自分らしく生きたいと願い続けた木村浩子さんの半生のドキュメントであり、障害を持った者たちが泊まれる宿がないと断られた事から始まる「土の宿」の成り立ちの話であり、戦時中、障害者は足手まといだからと軍から青酸カリを手渡された母がかくまってくれた事から思い馳せる反戦平和のドキュメント。

小一時間のこの映画を、障害あるなし関係なく共に働くを主眼とするうちの職場の上司が「映画上映会なんて自主的にしてみたら」と声かけて貰った事から、とりあえず賛同者を募る意味からも試写会をしてみようと、先日職場の一室で、パソコンにプロジェクターを繋ぎ、壁にタオルケットでスクリーンを作って、上映会をやってみた。

思いの外、多くの職場の仲間が集まってくれて、試写会は盛況のうちに終わり、次のステップにどう行くかがこれからの課題。

映画を観ながら、木村浩子さんに彼はどんな魅力を抱き、ひとり沖縄まで会いに行き、この映画を上映し、木村浩子さんを呼びたいと思ったのか、気に掛かる。

それは単にひとつの映画というものを乗り越えた<絆>なのかも知れないし、その協力を求められた僕への<絆>なのかも知れない。

映画の中、奏でられた不思議な音色を出す楽器の演奏のビデオクリップを見つけた。草の根で、こんな上映会が催されている事を知る。出逢い積み重ね、どう形にするか、決めるのはやはり自分たちなのだろう。

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