テレビで取り上げられているとの話を聴き、観たくなった映画「うまれる」。またツボにはまった。(笑)
子供達の胎内記憶の話から映画は始まり、この映画のテーマとも云うべき、鮫島浩二医師の「わたしがあなたを選びました」という子供達が親を選んで生まれてくるとする逸話が紹介される。
このプロローグの後、親に愛されなかった夫婦が子どもを授かり、臨月を迎える話を主軸に、治らない障がいを持ち、何年生きられるか判らない我が子を産んだ夫婦、産まれる日にお腹の中で死んだ我が子を思う夫婦、不妊治療を重ねながらも子どもを授かれなかった夫婦のそれぞれの思いを綴ったこの映画は「うまれる」という人生の始まりの重みをスクリーンに映し出す。
僕も実母に胎内記憶を呼び起こさせるような、お腹の中にいた時、凄くお腹を蹴りつけた話を聴かされ、お腹の中で動き回って、へその緒が首に絡まり、逆子となり、産まれる時に難産となり、鉗子という器具を使って、引っ張り出したがために、首筋がかぎ裂きになって、窒息状態で産まれたと聴かされた記憶があり、それが元で「脳性麻痺」の後遺症になったと聴く。
何で僕は母のお腹の中で暴れたんだろうと思い、未婚の母として産む決心をした母のストレスを一緒に感じたからなんだろうと思っている。
親に愛されなかった夫婦は、「私は子供を作る気はなかった」「私が母と同じようにこの子をいじめるようになったらどうしよう」とトラウマになった自分達の悩みを克服し、迎える助産所での出産シーンは感動ものだった。
妊娠の実感もなく、産まれてくる我が子への実感もない夫が出産に立ち会う時、無我夢中で妻の無事を祈る姿は「父」の始まりなのだろう。
産まれる子供達はそんな大人たちを見聞きし、生きようと産声を上げる。
ひとりの子供が産まれる
もしも幸せのために
生まれたというなら
残念ながら そんな人生は嘘っぱちさ。
だって笑いながら
生まれた人間なんて見た事無いよ人は生まれるべくして生まれ
微笑みのかわりに 涙をながす
人生は言う、
生きるということは
幸せになるために
苦しまなければならないことだとブラジル/ギリェルミ・ジ・ブリート「新しい生命」/対訳 : 田中勝則
うまれてよかったと云える人生の先輩として、この「新しい生命」たちの産声を耳にする。
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