21世紀の初めの10年も後数日で終わろうとしている。初めの10年の最後の祝日も季節はずれの冬の雨が降り、びしょびしょになった雪解けの街で、映画「ばかもの」を観た。
原作は芥川賞作家の絲山秋子の「ばかもの」。10年前、学生だった男と年上の女の10年の物語は、その時折々の事件を映しながらも、時の流れと共に、経験値を積んでいく男と女の物語が描かれる。
若さゆえの愛が別れを向かえ、月日のうちに、男はアルコールにはまり、女は身体が不自由となり、再会する。ばかもの同士の貪るようなからみ合いは年を経て、大人の恋になっていた。
そんな互いを愛おしむ映画に優しさを感じる。
この10年、従兄弟を二人、アルコール依存症で亡くしているから、尚なのかな。
ばかもの達の生き様に、莫迦でいいジャンと思いながらも、要領下手の方が人生面白いんだぜと思いもする。
「負けるが勝ち」を「負けは負けジャン」というのは愚か者で、負ければ負けた奴の痛みが理解出来るから、人生勝ちなんだってさ。
映画で映し出された「9.11ニューヨーク」「10.27新潟県中越地震」「12.26スマトラ島大津波」生き抜いた人たちも「負けるが勝ち」のばかものなんだからさ。
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