封切り時以来だと思うけど、ベルナルド・ベルトルッチ『1900年』をビデオを借りてきて、観た。
20世紀を総括するには早すぎた映画で、5時間の長丁場だけど、イデオロギーを重んじる馬鹿馬鹿しさを見事に描いていた。
1900年にともに生まれた男ふたりが片や大農場主、片や小作人の息子として、時代に翻弄される。
ナチズム侵攻と民主化解放、20世紀の大きな節目になった両者は相反する思想に対する虐殺でもあった。
男ふたりはその時代に洗脳されつつも、幼き日の友情ゆえにどこかでかばい合う。
同胞とはあなたの隣にいて、一緒に育った人。
憎み合う事しか教えないイデオロギーに洗脳される人間の愚かしさと根っこにある隣人愛の葛藤。
ファシズム、階級闘争の図式化など気になる点は多々あるけれど、日本に似た他国干渉による民主化を果たし、20世紀を過ごした国、イタリアの洗脳されやすい国民性は、見返すとやはり日本によく似ている。
イデオロギー崩壊後の世界観を突き詰めたギリシャ、テオ・アンゲロプロス監督の方がベルナルド・ベルトルッチなどより、はるかに20世紀を描いているとは思うけど、見直して良かった。
「20世紀はサラエボで始まり、サラエボで終わった。」
「いくつ国境を越えれば、家に帰られるのか」
テオ・アンゲロプロスの映画をまた観たくなった。(笑)
- 映画データベース ベルナルド・ベルトルッチ
- OhmyNews : ベルナルド・ベルトルッチ『1900年』再見
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