物事には表と裏がある。
小田実さんの視野の広がりは世界旅行記『何でも見てやろう』から始まったと聴く。
評論『日本の知識人』も古代ギリシアと現代インドに対比させて書かれた「日本論」で、井の中の蛙になりがちな島国の視点を覆すものであった。
飢えと空襲の太平洋戦争体験、男女共学という「民主主義」、「べ平連」(「ベトナムに平和を!」市民連合)からラテンアメリカ、アフリカ、ベルリンの壁崩壊、天安門事件。
否応なく視界は世界中に広まり、足下を揺らす「阪神淡路大震災」に遭遇する。
晩年は『随論「老いる」』を東京新聞・中日新聞に掲載されていた。
英雄も偉人も老いは一緒、子供の頃に「される」が大人となり一時「する」となり、老いてまた「される」になる。
被災者哲学が反戦理論を深め、「死にたくないから動く」作家で居続けた。
物事には表と裏がある。
与野党逆転のご時世、これを忘れたら、またひっくり返るだろう。
小田実さんの死去の知らせに『何でも見てやろう』と想い深めるところ。
『万年野党』的に生きたいね。
- 小田実さんオフィシャルサイト
- 小田実さん掲載記事一覧
- OhmyNews : 「何でも見てやろう」から「べ平連」小田実 死去
amazon.co.jp :
何でも見てやろう
0 件のコメント:
コメントを投稿