2007-07-19

それでも生きる子供たちへ All the Invisible Children

「大人は誰も、昔は子供だった。
でもそのことを忘れずにいる大人はほとんどいない。」

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの「星の王子様」の中で語られるこの言葉に添う形で描かれた7ヶ国7本の短編集。

  • アフリカ・ルワンダのズック靴をいつも手放さない少年兵士。
    メディ・カレフ監督
    『タンザ』TANZA
  • 東欧・サラエボの自由よりも刑務所を好む悪童たち。
    エミール・クストリッツァ監督
    『ブルー・ジプシー』BLUE GYPSY
  • アメリカ合衆国のHIVキッズ。
    スパイク・リー監督
    『アメリカのイエスの子ら』JESUS CHILDREN OF AMERICA
  • 南米・ブラジルの高層ビル群の谷間、ファベーラ(貧民街)に生きる廃品拾いの兄妹。
    カティア・ルンド監督
    『ビルーとジョアン』BILU E JOAO
  • イギリスのフォトジャーナリストが戦場に生きる子供達を思い返す一時。
    ジョーダン・スコット/リドリー・スコット監督
    『ジョナサン』JONATHAN
  • イタリアの大人と互角に渡り合うチンピラ少年の影絵遊び。
    ステファノ・ヴィネルッソ監督
    『チロ』CIRO
  • 中国の格差に生きる子供達
    ジョン・ウー監督
    『桑桑(ソンソン)と小猫(シャオマオ)』Song Song & Little Cat

大人たちはある時は過剰に子供達にものを与え、ある時は過酷に子供達からものを奪う。

子供達はその与えられた環境で、どう生きていくか、それぞれの工夫が生まれる。

映画のキャッチフレーズである「スラムは遊び場に。ゴミ捨て場は冒険の場に。子供たちは、生きることの天才だ」

大人たちならくじけそうな環境でも子供達は一生懸命に生き抜こうとする。

大人たちは自分たちの都合の良い理屈をつけ、そんな子供達の生き方に良し悪しの裁断を下す。

「大人は誰も、昔は子供だった。
でもそのことを忘れずにいる大人はほとんどいない。」

「大人は判ってくれない」と涙流したあの日、あなたは大人というずるさを身につけたのかも知れない。

老いた大人たちは「自分」を守るためにも、「子供たち」の今を知るべきなのだろう。

この素晴らしき世界に。

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