2007-07-13

穏やかな気候が奇跡である A calm climate is a miracle.

7月としては異例な勢力を持つ大型台風4号は高い海水温域の北上が原因とニュースでやっていた。

温暖化が顕著になってきたのだろう。

不都合な真実』などのような「温暖化」を食い止める政治と云う発想と平行して、「温暖化」で暮らし方を変える政治も考えなきゃならない時代が来たのかも知れない。

人類史において、暮らし方を変える政治の方が民族大移動のようにポピュラーでもあるのだから。

文明が発達し、人間の英知の蓄積がなされた中世期には、イタリア・ベニスや日本の柳川などで水難から都市を守り、水とともに生きる術として、運河、堀割が考え出され、そのシンクタンクは高畑勲監督の『柳川堀割物語』で紹介されたのは、ちょうど小樽が都市再開発で運河存続が議論された頃だった。

近代化と共に自然を人間たちの便利なように作り替える発想が主流となり、何もないところを国境で区切った近代国家が生まれた。

争いも自然環境にダメージを与える大規模な武器が使われるようにもなり、植民地化された土地では特産物ばかり採らせ、土地を砂漠化させる愚考も行われるようにもなった。

自然の仕組みが顧みられるようになったのはつい最近の事で、1970年代初頭の公害問題がおそらくはその引き金になった。

最も優れた漁場のひとつであった襟裳岬沿岸での森と海の関わりの研究はよく知られるところで、森の枯葉が川に落ち、海に流れ着き、プランクトンの餌となり、プランクトンを餌とする魚たちを呼び寄せる仕組みは森林伐採だけではなく、植樹の大切を教えるきっかけにもなった。

近年、コンピューターによるグローバル化で、そのような自然治癒力が軽視されているように感じられる。

テレビではアメリカでおきているミツバチの謎の失踪が農業被害を引き起こしかねないとするニュースも報じられており、経済優先の環境破壊がもたらす影響が目に見えるものとして出始めているようでもある。

「不条理とは不条理に見えないって事」
コルタサル「石蹴り遊び」より

穏やかな気候が奇跡である事を今一度、思い返したい。

  • TBSニュース : 米で大量のミツバチが謎の失踪?
  • OhmyNews : 穏やかな気候が奇跡だなんて

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