2008-03-06

地下鉄駅で At the subway station

昨日、街からの帰り、地下鉄で人身事故があり、折り返し運転をしている事を知り、乗車駅はその折り返しの始発駅となっていて、帰宅には使えるかと思い、駅の改札をくぐった。

しかし、事故が起きた駅の復旧が済み、折り返し運転から通常運転に切り替わったらしく、運行休止していた方面に向かう一番電車が発車するところ、プラットホームは運行休止の方面ではなく、折り返し始発になっていた方面に行く客で混み始めていた。

プラットホームで乗客にアナウンスする駅員は、地下鉄の電車が正常運行を開始し、始発駅を出た事を告げ、運行休止していた方面行きの電車が順次到着して、発車するのに、こちら側は「どこそこを通過」のアナウンスばかりで、折り返し復旧にはこのようなロスタイムも発生するのだと知りもした。

しかし、乗車客は次々とプラットホームに集まり、通勤ラッシュ時並みの混雑をし始めた。

そこへよく地下鉄で見かける盲導犬を引き連れた目の不自由な高齢の方が、若い駅員に誘導され、プラットホームの端を歩いてくる。何もこの混んでいる時に誘導しなくてもと思うのだけど、その駅員もこの混みように気付いたのか、それとも他の客から指摘を受けたのか、盲導犬を連れた高齢者を、危険なプラットホームの端ではなく、人混みとなっているけど、安全な内側に引き連れていく。

臨機応変な対応こそが必要な場面で、マニュアル通りにしか動けない若い駅員なのかなと思ったりもする。

うちの職場でも、云われた事はそつなくこなすけれども、云われていない事は何もしなく、自分の判断が求められる時にどうしたらいいか身動きできなくなる、そのくせ、自分の立場を守る事には抜け目ない、そんな若者たちが増えている。

ひたむきに取り組むほどに周りがみえなくなり、マニュアルに頼ってしまう。何かあれば、マニュアル通りに事を済ませたとも云える環境が、利用する客との距離を見失わせる結果にもなる。

それは「お客意識」の強い利用者側にも云える事で、指示通りに動けば大事には至らないと思いこんでしまっている。

緊急事態になればなるほど、マニュアル通りにしか動けない現代社会の混乱は一歩引いて見回す事が出来ない分、ひどい状況が表に出てくるのではないだろうか。

「事件は現場で起きている」

なんかの映画のセリフじゃないけれど、今や現場も「事件」を忘れている。そんな風潮があるようで怖いような気もする。

  • OhmyNews : 地下鉄駅で

0 件のコメント: