今朝は長谷川伸の名作『番場の忠太郎・瞼の母』を観る。
1931年 監督/稲垣 浩 主演/片岡千恵蔵 弁士/松田春翠 72分
オリジナル原作は母と和解をするハッピーエンドなんだと改めて知る。
長谷川伸の股旅物に流れる根本思想は江戸期の儒教ブームから生まれものだろう。
子供の頃、テレビの人形劇に影響受けて、貪り読んだ「里見八犬伝」の1954年映画版全5話を借りてきて、観ているところ。
東千代之介、中村錦之助の出世作でもある作品で、東映時代劇的な作りだけれど、根底にある儒教観念が心地よい。
八犬伝の八つ玉のいわれとなる儒教の教えは死後世界を説く仏教と相まって、如何に生きるかの教え。
- 仁[じん] (誰それと隔たりなくいつくしむ心)
- 義[ぎ] (義理人情を尽くす心)
- 礼[れい] (礼儀を重んじ感謝する心)
- 智[ち] (善悪を見分ける心)
- 忠[ちゅう] (まごころで仕える心)
- 信[しん] (信じる心)
- 孝[こう] (先祖を大切にする心)
- 悌[てい] (仲良くする心)
- 胆[たん] (動じない心)
- 勇[ゆう] (やり遂げんとする心)
すべての玉が集まり時、世の平安は訪れるという。
今の世の中、足りない八つ玉はなんだろう?
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