観たい映画もなく、名作映画を劇場で観ようと行われている「午前十時の映画祭」で見直したい映画を上映すると知り、午前十時はきついけれど、頑張って観に行った。
「大いなる西部」1958年ウィリアム・ワイラー監督作品。
映画音楽の名曲と知られ、壮大な西部を舞台にしたこの映画は勇気とは何か、勇気とは見栄ではなく、自分の非を認めることと高らかに謳う。
1958年といえばキューバ革命の前夜、米ソの冷戦が本格化していく時であり、南太平洋での核実験は費用が掛かるため、1951年にネバダ核実験場、1955年カリフォルニア州サンディエゴでも行われるなど西部劇の撮影現場となる土地での核実験が盛んに行われていた時。
ウィリアム・ワイラーの制作意図は判らないけど、対立する二大勢力の争い劇に米ソの冷戦を見ていたというのは深読みだろうか。
シネマスコープの画面が上映館で再現されているのかは判らないけど、プリント状態は大変良く、色の再現も自然で美しかった。
人間描写の巧みさ、間の取り方もうまく、登場人物の描き分けも明確で、巨匠ウィリアム・ワイラーのうまさを再確認出来たのも収穫。
「午前十時の映画祭」無理してでも出来る限り観に行こうと。