ホロコーストを逃れ、米国に亡命したユダヤ人の女性哲学者ハンナ・アーレント。1960年代初頭、ナチスの司令塔アドルフ・アイヒマンの裁判の傍聴記を発表するとともにユダヤ人社会から総バッシングを浴びた彼女の主張は。
「カタリーナ・ブルームの失われた名誉」で女性であるが故のマスコミの拷問を描いたマルガレーテ・フォン・トロッタ監督の新作は全体主義と闘うハンナ・アーレント。
当時の裁判の模様のドキュメントを織り込みながらドラマは進む
彼女の主張はとても正しく今日の問題でもあるように思えるけど、そこで語られる「ユダヤの指導者達の罪」の裏付けが弱い気もした。
ハンナ・アーレントはいう。「根元的ではない悪がアドルフ・アイヒマンの悪。彼は何の疑問も持たず書類を処理した。これは悪の凡庸さである。根元的ではない善は存在しないが、悪は凡庸さにも成り立つ。」
アドルフ・アイヒマンの官僚としての罪は誰しもが犯しうる罪であり、組織化された社会で犯しうる罪。
「私が愛するのはあなた。それが唯一の愛」個人の社会との闘いは愛することなのだろう。と思う。
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