熊谷守一のことを何も知らず、ただ山崎努と樹木希林の競演で、沖田修一監督作品ということで観に行った。
何年も自宅の庭の自然の中で一日を過ごす熊谷守一とその妻。その二人を慕ってくる人々。
山崎努、樹木希林、沖田修一のペーソスが絡まり合い、個性派の役者たちがそれに色を添える。それが熊谷守一の人となりをうまく描いている。
「下手も絵のうち。上手いと先が見える」劇中熊谷守一が語るこの台詞が頭に残る。
都会の中の小さな自然の中、世間の時間とまるで違う時間に生きる老夫婦。沖田修一のこだわりでもある「食べる」場面も凄くナチュラル。
仙人のような暮らしをしつつ、実はしたたかな熊谷守一さん夫妻。そんな生き方、うらやましいと思うのは、自然の中に生きる事を忘れた老いた我々なのかも知れない。
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