1973年、僕が中学の頃の映画。
ふとした事から観たくなり、DVD化されていないか調べるとなっていないんですね。
アメリカではとっくになっているのに、かつてのソフト大国我が日本はこんな名画すらDVDする気もないらしい。
映画の内容はイルカに人間の言葉を教える学者が政治利用され、大統領暗殺のため、イルカを拉致されるという話。
怪しげな人間が実は味方であり、実力者が陰謀家という定石を踏まえながら、ラストの学者とイルカの感動的な別れとなる。
「人間、ない事、云う」
言葉を話すイルカの口癖は人間誰もがとっくに知っており、カマ掛け合う化かし合い繰り返すのに、組織化された物にはいつもも化かされる。
イルカに言葉を教えた学者は何故イルカが話せるようになったかを「私とコミュニケーション取りたいから」「海に帰れば人間の言葉を忘れる」と説明するけど、元々言葉はそういう物かも知れない。
ニクソンショックからベトナム戦争の混乱の影、身近では韓国金大中拉致事件、南米チリの軍事クーデターなどアメリカドルが化け始めた時代、オイルショックで物価は高騰する一方、政界ではロッキード疑惑で札束が実弾として飛び交った時代、映画『イルカの日』は公開された。
今、DVDで気楽に観られない名作映画群を拾っていくとこのような政治的な映画がDVDになっていないような気もする。
不思議と映画『イルカの日』のサントラは廃盤されることなく出ていて、映画業界の怠慢なのかも知れないけれど、社会的役割を忘れたところに無意識の情報操作があるようにも思えてくる。
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