この冬、初めての寒波が押し寄せ、札幌もプラス気温にならない真冬日の日、近くの郊外型銭湯に昼のオープンと同時に行ってみると、団塊の世代で、定年を迎えられた方達だろうか、大勢、寒さをしのぐために、銭湯に入りに来ていた。
脱衣室で聞こえてくるその団塊の世代の会話がどうにも世相を語っているようで、面白く、その会話をメモしてみた。
「昔は人生60年と云ってたけど、今は80歳だろう?男で平均75か?おまけの人生として、こうして風呂に入れるんだから、ありがたいわな。」
「今、灯油も高いしな」
「灯油もどこまで高くなるんだろうな。稼いでいた頃と違って、年金で遣り繰りしなきゃなんないんだから、まったく厳しいよ」
「家で風呂わかしたら、水道代もかかるし、風呂場も寒いから、ここに来るのが一番さ」
「昔なんか、近所の銭湯に風呂入りに行ったら、帰り、髪の毛が凍って、バリバリになったりしたけど、今はここで風呂上がりにくつろいで帰れるから、いい時代って云えば、いい時代だけどな」
敗戦直後の物のない時代に生まれ、高度経済成長を担わされてきた方達は、ある人は足を患い、ある人は胸を切り裂き、人生60年を過ごしてこられたのだろう。
浴室内にあり、ジャグジー風呂は入浴する人であふれ、ちょっと痛みを感じる電気風呂は誰も入っていない。
「昼寝していて、目が覚めたから、来たのよ。あんまり早くても一杯引っかけるわけにもいかなくなるけどなぁ。」
昼からお酒の罪悪感を犯す事も出来ずにいる律儀な、それでいてやんちゃな、親父たちの語らいが風呂場にこだましていた。
長湯でのぼせ、湯船に沈む人とか、風呂上がり、足を取られて、タイルに頭を打つ人とかもいらっしゃるので、ほどほどの銭湯極楽、まずは楽しんで下さいと思うとともに、この平穏な日々がかき乱される事のないように。
10数年後、私もこんな銭湯極楽を味わい続けたくもありますが。
- OhmyNews : 銭湯で極楽極楽
2 件のコメント:
懐かしかった。極楽湯。
昨年の冬 よく行ってました。
コメント、ありがとうございます。
極楽湯チェーンには残念ながら行った事ないです。
寒くなる季節、銭湯巡りでもしようかな。(笑)
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