アルバイト募集で、今年も一足早くうちの職場は新年度を迎えた。
かれこれ、勤めはじめ、28年の歳月、アルバイトとして来られる人たちの経歴は世間の様子を映し出している。
28年前、僕が入った頃は学生アルバイトの他に、炭鉱閉山の離職者の優男たちが第二の人生として、入ってきていた。
その後、国鉄民営化で離職した年配者が入ってきた。
元号が変わる頃、学生アルバイトの方も耳にピアスの穴を開けた若者が入ってきて、アルバイトをまとめる人が「勤務中はピアスを外すように」と注意をし始めた物だった。
年配のアルバイトは入ってくる数も少なくなり、まだ働き盛りの30代が内緒で副業として働きに着始め、学生と年配者といううちのアルバイト構成は崩れはじめた。
今から10年ほど前あたりから、就職で辞めていくはずの学生アルバイトの中で、辞めずに副業としてアルバイトを続ける者が出て来はじめ、学生の将来を心配する上司でも、「就職したら辞めさせる」立場と「就職しても働かせる」立場に見解が分かれた時期もあった。
大学生に成り立ての新人たちでも、多い人混みの中、接客しなければならない環境に向き不向きがあり、大半が働き始めてすぐに辞めた年もあったので、戦力として残れる者は残すという「本人の将来」よりも「企業本位」を優先せざるおえない状況もあったのだけど。
そんな居残りが年を追う毎に増えていき、逆にバブルがはじけ、人員削減もあって、年度替わりに入ってくる新人の数も少なくなり、学生アルバイトはいつのまにか、フリーター主流になって来た昨今、少ない新人も学生の頃にアルバイトをしていた者たちの出戻りも増え始めている。
今年は体制の大きな入れ替えもあったので、久々に大量の新人を採用したのだけれど、その経歴を聴くと、リストラされたらしい年配者とか、20代、30代のフリーターとかが目をひく。
学生と年配者という社会の補助労力を当てにしていた職場がいつの間にか、社会の主力になり得る労力を何の補償もなしに使える場になってしまっている。
そんな時代の波の中、数年後、どのような社会になっているのか、気に掛かる。
- OhmyNews : 新人入社の時期になって思うコト