2012-04-13

アーティスト The Artist

映画の全盛期はサイレント時代だったとよく聴く。音も色もなかった時代、映画界は映像でどうやって観客を楽しませるか、試行錯誤を重ね、世界中が映像技術にしのぎを削った。

セリフタイトルは出来る限り少なくするとか、カメラアングルで観客に与える心理的影響だとか、光と影をモノクロでどう効果的に見せるかとか。

そんな曰くのあるサイレント映画の新作が作られ、世界の映画賞を総なめにしていると聴き、映画「アーティスト」を観に行った。

サイレントからトーキーへ変わる時の映画スターの物語。何度も映画化されているこの種の話に新鮮味はなく、関心はどれ位サイレント映画の再現がうまくできているかという所に向いた。

セリフタイトルの少なさはよしといて、カメラアングルも目新しくなく、モノクロの光と影も意識しているようには感じられない。ほどよくサイレント映画を再現しましたという感じ。

映画に夢中になった中学生の時、チャップリンの映画が大きな劇場でリバイバルされ、興奮して観た身としては手厳しいけれども、このサイレント映画の新作を誉める気はしない。

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