2015-03-18

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 The Imitation Game

世界大戦って、白人社会の戦争のことなのかなと思いつつ、第二次世界大戦時、ドイツ軍が世界に誇った暗号機エニグマによる暗号の解読に成功し、連合国軍に勝機をもたらしたイギリスの数学者アラン・チューリングの人生を描いたドラマを観る。

暗号解読を人海戦術で解き明かそうとするイギリスの精鋭たちとパターンを精密機械で解析しようとするチューリング。チューリングがゲイであることに嫌悪し、強制的にホルモン療法を受けさせ、自殺に追い込んだ英国政府。なんか今の日本を見ているようで可笑しくなった。

三つの時代を描くことで人間チューリングが浮かび上がる脚本はアカデミー賞脚色賞に輝いただけあり、語り口がうまく、変人チューリングが暗号解読に力を注ぐ主軸の物語に邪魔することなく、同性愛者チューリングが描かれている。

二つのミステリーが重なる時、国家と人間が浮かび上がるそんな世界観を持つこの映画は上等なミステリーであると同時に人権問題を描き出したドラマである。

国家秘密保護の悲劇は50年後、謝罪という形となったらしいけど、あまりに無慈悲な国に殺された英雄の話。

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