重度障害者の物理学者・スティーブン・ホーキング博士の私生活を描いた本作は恋愛から結婚、発病と博士号の栄誉と描かれ、結婚生活の困難さから導き出された暮らしのあり方を、彼の理論で知られる相矛盾する量子論と一般相対性理論の相互立証に見立てるかのような描かれ方が面白い。
スティーブン・ホーキング博士のこともよく知らないで観たけど、その理論が映画の中でわかりやすく描かれ、宇宙の誕生の話とALS(筋萎縮性側索硬化症)に蝕まれていく自分の身体を見つめることにより見えてくる世界が自然と一体化していく。
夫婦の繋がりは保たなければならないものなのか。形は変わっていっていいのじゃないか。宇宙観と人生論が互いに混じり合う理論形成がスティーブン・ホーキング博士の天才ゆえのドラマなのだろう。
マクロとマクロが交わるところ、それが人間社会なのかも知れない。
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