第71回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞し、話題になっている作品だけど、受賞そのものには関心なく、時間がある時に観ようかと思っていて、ちょうどすることもなく、映画館の上映時間を調べたら間に合うので、観に行った。
是枝裕和監督作品は近作はだいたい映画館で観ており、是枝タッチの出だしに違和感なし。
けど、中盤あたりからなんか日本映画の往年の名作にありそうな情景描写が続き、絶対外国受けを狙って作ったという感じプンプン。苦笑してしまう。
それぞれの人間関係も謎解きのように描かれていき、それはそれで面白かったけど、終盤、安藤サクラが女の子が虐待されていたことを何故喋らないのか、違和感を抱き始め、男の子にもあんなことを言うから、是枝裕和監督の家族像がよく判らなくなってきた。
物語自体は大島渚監督の名作「少年」と似たような題材で、「少年」の名シーンを思い起こさせる場面もあったし、世界の巨匠小津安二郎が「肉親よりも他人がいい」と描いた「東京物語」なんていうのもあるけれど、日本映画界がずっとこだわり続けた家族というものがこの映画にはないだろうし、万引きという犯罪行為、見棄てられた人々など本作のテーマとなっていることも深く掘り下げていないと思う。
外国人が好きな日本映画を撮ってみました。的な出来なんじゃないの。これ。
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